永久保存してね

昨日の話の続き。今日はみんなに使ってもらっている

DWのレギュレーターがどれだけ優れているか、どんなコンセプトで

作ったこだわりを紹介します。

ダイビング器材は水中という環境下、しかも塩分を含む海水という、器材にとって劣悪ともいえる状況で使われています。器材がなければ我々ダイバーは水中で呼吸することすことができません。ダイビングは器材に依存する割合がとても高いスポーツです。このような性質をもつダイビングにこそ万が一のためのFAIL SAFEが必要なのです。

   ファーストステージについて例を挙げるならば、高圧用スプリングが破損する可能性はおそらく数百万から数千万分の一(当社の調査では過去に2例のみ)という非常に低いものです。低いながらも破損確率は決して「ゼロ」ではないため、ダイブウエイズではFAIL SAFEのコンセプトに基づきスプリングを2本配置するデュアルスプリングを採用しております。スプリングを2本にすることにより、万が一片方が破損した場合でもエアの供給がストップすることなく、残る一方がその機能を果たしダイバーにエアを供給するのです。破損時には、基本設定圧(10±0.5気圧)の約半分の5気圧がセカンドステージに流れる仕組みになっており、水面まで安全に浮上するために必要なエアの供給が保てるように設計されています。

 中圧スプリングには高圧用スプリングと同様にデュアルスプリングを採用しています。万が一、片方のスプリングが破損しても、残りの片方が稼動しているため、フローするエアを約半分に抑えることができます。これにより、タンク内の急激なエアの流出を抑え安全に浮上できることが可能になります。

また、アジャストノブを閉めこむことにより、さらにエアの流出を抑えることが可能な設計になっています。 []・・・・・一般市販品の場合、中圧スプリングが破損したとすると10リットルタンクが満タンであっても約80秒(1分20秒)でカラになってしまいます。また、中圧スプリングの破損が同じ10リットルタンクに半分のエア(100気圧)が残っていたときに起こった場合は、たったの40秒でタンクのエアはカラになってしまうのです。水深20mで中圧スプリングを破損し、フローを起こし激しい泡と衝撃に包まれたダイバー(特にビギナー)が、パニックを起こさずに限られたエアとわずかな時間で落ち着いて無事に水面まで戻ることができるでしょうか?

ダイブウエイズの場合、2本設置している中圧スプリングのどちらか一方が残っていれば、タンクが満タンの場合は一般市販品の約倍の160秒(2分40秒)、タンクに半分のエアが残っている場合でも80秒の時間を得ることができるのです。このためエアーエンボリズムを回避しながら安全に水面まで戻ることのできるだけのエアを獲得できるのです。
  さらに、ダイバーが呼吸するためになくてはならないデマンドレバーは、切断や破損することでエアの供給は完全にストップしてしまうほど重要な役割を果たしています。実際、過去にデマンドレバーの切断による死亡事故も報告されています。ダイブウエイズでは、この大切なデマンドレバーを耐久性に優れたステンレス製の3mm丸棒タイプにしています。これにより、一般市販品に多く使われている平板タイプのデマンドレバーに比べて、約5倍の強度を実現しました。その強度は氷点下でのアイスダイビングでセカンドステージが凍り付いても、クリアボタンを押すことで付着した氷を破壊し、正常に作動させるほどのものです。
  

他にも、エアの供給に無くてはならないエキゾーストバルブ(排気弁)も、デマンドレバーと同じく重要な機能を果たしている部品です。一般的にその形状ゆえに軽く考えがちですが、エキゾーストバルブの「引っ掛かり部」の切断によってエキゾーストバルブが脱落し死亡事故が起きたことがあるほど、ダイバーにとって重要な部品なのです。

ダイブウエイズでは、オクトパスを含むすべてのエキゾーストバルブに「引っ掛かり部」でホールドする通常の留め方法に加えて、さらに外側から押さえるためのリテーナー(PAT.)を配置しています。リテーナー(PAT.)によってよりしっかりと留めているため、万が一「引っ掛かり部」が切断されてしまってもエキゾーストバルブが脱落することはありません。そして、エキゾーストバルブに異常が発生した場合は、呼吸に差し支えがない程度の水がセカンドケース内に浸入するため、ダイバーは異常を感知することができ、安全な浮上へと行動を移すことができます。
  

加えて、ダイバーの呼吸に絶対に必要である重要機能部品であるダイヤフラムの固定方式にも、当然のことながら、FAIL SAFEのコンセプトが生かされています。ダイブウエイズでは、一般の市販製品のようにただ単にダイヤフラムをフェースで固定するだけではなく、より高い安全性を確保するために2重の固定方式を採用しています。

ひとつ目の固定方法として、一般的にはセカンド内部の水を排出するためだけに使われるクリアボタンに、ダイヤフラムのロック式固定という役割を持たせました。クリアボタンに本来のパージ機能の他にダイヤフラムの固定というふたつの機能を持たせたのはダイブウエイズだけの斬新なアイデアです。

ふたつ目の固定方式として、フェースを固定するためにリングネジを採用していることです。金属製のリングネジに金属製のフェースが組み合わされることで、セカンドケースは非常に強固なものになり衝撃や圧縮などから完全に保護されます。このリングネジ方式は、過去に英国海軍でダイヤフラムが脱落した例(CMAS発表)がありますが、固定方式が一般市販品のような1重方式だったことが原因とされています。ダイブウエイズでは、FAIL SAFEのコンセプトに基づいて上記のように2重の固定方式にしているため、ダイヤフラムの脱落事故は絶対に起こりません

。また、クリアボタンとフェースの取り付け方に異常があった場合でも、目視によってその異常が発見できるようになっています。さらに、その形状から、ダイヤフラムの裏返しでの取り付けはありえません。万が一、リングネジが外れるようなことがあっても、クリアボタンのロック機構が働くためにダイヤフラムが脱落しないようになっています。そして、ダイバーは吸気のたびに侵入してくる2~3滴の海水(排気行程で排出されます)で異常を感知できるようになっています。
    これらの他にも、一般市販品のエキゾーストはプラスチックや硬いゴムをネジでセカンドケースに固定する方式のものが多数を占めています。プラスチックや硬いゴムを使用しているために、ダイビング中にエキゾーストが自身の装備やサンゴなどに接触してしまいセカンド自体が口元から外れてしまう(人的FAIL)というトラブルを経験されたことのあるダイバーは多いのではないでしょうか。ビギナーの場合はパニックに陥り重大なトラブルに繋がる恐れがあるため、ダイブウエイズではエキゾーストを耐久性に優れた非常に柔らかいゴムで作製しこれらのトラブルを未然に防いでいます。また、エキゾーストの固定方式もネジや工具などを一切必要としない独創的な方法(PAT.)を採用し、取付け取外しを容易にしました。これにより排気弁のチェックも非常に簡単になりました。

このようにすべておいて本物志向でありダイバーの安全性にこだわった

製品なのです。一般市販されず、大量販売されず職人がそのダイバーの

ために一台ずつ組みあがる手作りのレギュレーター。

それがあなたの命を守る大切な器材です。

私たちはその製品をご紹介でき、みんなにお渡しできる事を誇りにおもっています。

 

 

 

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