岩手県山田町 震災後の水中捜索 2か月を経過して・・。
おはようございます。
第二回目の水中捜索活動が終了しました。
一回目の時の捜索活動終了時ブログに報告しようかと
思いましたが、不完全燃焼のまま終えた捜索でしたので
自分の中で納得いく形ができたらご報告をしようと思い
あえてこのブログでは書き込みをしてきませんでした。
(一回目のブログはNPO法人UDNにアップしています。)
今回の山田町湾でのボランティアによる捜索はほぼ全域を
調査し終わりました。
後は近郊の湾の調査と廃材などの引き上げの作業に移行します。
今回の捜索隊メンバーは
前回に引き続き大坪氏と新メンバーで八丈島から駆けつけてきていただいた
ビエントスの大石氏の3名です。
前回に比べ人も少ないため捜索範囲も広く幾度もの繰り返し潜水を行うため
精神的にも肉体的にも疲労感はピークに達しました。
夜は余震で目が覚める事もありあまり熟睡もできず8:30~17:00頃まで続く
潜水は想像を超えるものでした。
そんな状況でも私たちの心を支えるものは被災者の方の声です。
一緒に捜索活動をされていた地元漁師さんの井筒さんと白野さん
お二人共にご子息を今回の津波で失われてしまいました。
白野さんとは秋田テレビの取材に対応しているとき直接お話を伺うことが
できました。
「息子は津波の時消防団に入っていたため津波をさけるための水密扉を閉めに
行った。その時に第二波がきて水密扉も破壊されおそらく一緒に流された」
「こうして笑って話すけどやっぱり心の中で息子を思うと・・・・」
「捜索に協力してるのも息子がもしどこかでみつかればいいなぁと思って」
このお話を聞いた時とても耐える事ができずカメラの前で号泣してしまいました。
小さな可能性でもいい大きな海の中で見つけてあげたい
その気持ちだけがあの過酷な海に繰り返し潜る勇気と気持ちを
与えてくれたのです。
捜索ポイントは現場に詳しいお二人の漁師さんたちの意見を聞き
以前ソナーでマークしたポイントなど総合的に判断し
確認を行いました。
可能性のある場所を繰り返し繰り返し潜り捜索マップを塗りつぶす
その繰り返しでした。
ある場所ではライトの光さえも届かず目の前に突然現れる瓦礫が
捜索をさらに難航させます。
水温は6℃から高い所では9℃のため
長時間潜水は思考も体力も落ちるため危険がさらに増してきます。
小さく映る点のようなライト光を探し相手からOKのサインがきた時は安心します。
毎日の捜索活動がこのような繰り返しですが仲間の潜水士や水面捜索の隊員
漁師さん達との食事や交流が疲れを軽減させてくるものでした。
またツイッターやFBなどでの応援のメッセージが心を奮え立たせてくれました。
10日~13日までの短い期間でしたが大坪氏が単独潜水を開始してその後僕達が
応援に駆け付け通算10日間のボランティアによる山田港捜索活動はこれで
終了しました。
引き続き他港はまだまだ水中捜索が行われていない場所が多々あります。
今後は水面捜索隊に所属する元水難救助隊員出身のH君の潜水トレーニングを行い
現場を引き継ぎます。
今後新たな要請があればまた応援に駆け付けます。
今回のボランティアはNPO法人ユニバーサルダイビングネットワークを通じて山田町災害対策本部管轄のもと
社会福祉協議会の協力、日本財団の助成で活動を行いました。
山田町皆様の更なる復興を願います。
次回復興支援は調整中です。日程が決まり次第ご報告させていただきます。
復興支援のための協力ダイバーの方も募集しています。
皆様のお力添えをお願いします。
最後に今回の水中の様子をアップしました。
カキいかだの中にひっかかるため進入路を探す
進入路確認 狭いため慎重に上下を確認
畳などがのこり生活を感じされるたくさんの物が
水中にあります。
こうした瓦礫の中に入るため周りの確認作業が
必要不可欠となる。
車などまだまだ無数に沈んでいる
震災後の中で元気に学校に通う中学生
僕達の心が少し和んだ光景でした。
この後動画もアップいたします。