岩手県山田町水中捜索3回目を終えて。

こんばんは。今朝山田町から戻りました。
週末は講習の予定でしたが台風が接近しているために
急遽中止とさせていただきました。
予想は見事にはずれ伊東は潜れていたそうです。
講習予定だったみなさんごめんなさい
急遽空いたスケジュール。
思い立つように山田町に出発する事を決めました。
NPOユニバーサルダイビングネットワーク内に
設置された「潜水捜索救難協会」のメンバーに
メールをして山田町に行きました。
今回参加されたメンバーは
高野修氏 山崎良一氏 三瓶厚太郎氏の4名です。P1080216
高野氏、山崎氏は第一回の潜水捜索にも参加いただきました。
山田の海中は大坪氏の単独潜水から始まり我々グループが
第一回目に合流した時と現在ではかなり様子が変化しました。
第二回目でほぼ全域の確認を終わった後
水面では台船付クレーンがカキ筏や船などの
引き上げ作業を行い水面は所々に牡蠣筏がある
状態になっています。
ここ数日は水温も少し上昇し引き上げもあったせいか
浮遊したご遺体が次々と発見されています。
今回水中は引き上げた筏の残物のなかにご遺体がないか
また中の様子などの調査を行いました。
殆どのポイントはクリアー状態でした。
水深40m付近は非常に透明度が悪く確認作業も難航しますが
10mあたりは視界もクリアーになります。
以前のような無数に広がる縄や、生活に利用されたものは
殆どなく一部、車や流された販売機などが点在していました。
それでもまだまだご不明者の数は相当数おられ
ご遺族の心情を察すると可能性のある限り
捜索を続行させていきたいと思いました。
同じ山田町でもほとんどの手つかずの港もあり
本来ならばそうした場所もご要望があれば
すぐにでも捜索したいのですが情報がばらばらで
行政との調整がここでも大変になります。
時間がたつといろいろな思惑が見え隠れし
被災者の思いよりも行政側の立場などが
優先されているように思えてなりません。
避難所の横で繰り広げられる役人たちの
BBQや乾杯の音頭の声
何に対しての乾杯なのか?
僕たちはただ一人でも多くの方がご家族の
もとに帰っていただけるように
強く願うばかりです。
僕たちの活動は山田町のお二人の
漁師さんの思いから発しています。
毎日、毎日休むことなく懸命に水面を
捜索するお二人。
お二人とも息子さんが行方不明になった。
本来なら真っ先に自分たちの家族を探して
欲しいと思うもの。
しかし、お二人は懸命に山田のみなさんを
水面から探すお手伝いをされている。
いつも元気よく「ごくろうさん」と僕たちに
声をかけてくれる。
牡蠣をごちそうになった時息子さんの話を聞けた。
そして小さな声で
「こうして捜索に参加すればもしかしたらおらの
息子もみつかるかな?と思って手伝ってる」
「毎日、毎日祈っているんだ」
涙ぐむ漁師さんの言葉に返す言葉もなく
ただ
「頑張ります」としか言えなかった。
今回水面班お休みとなりお会いすることが
できないかなと思っていた。
でも僕たちが来た事を知ったお二人は
わざわざホタテをとりに船をだし
上がってきた僕たちに振る舞ってくれた。
「おら達ができる感謝の気持ちはこれしかできないから」
っていつもいつも十分すぎる気持ちをいただく。
とびきりの優しい笑顔の向こうには大きい悲しみを抱えている
お二人の漁師。
「どこいったんかな 息子・・・。」
本当ならば毎日山田いたい
なんとしてでも探したい。
もう来なくていいよいわれるまで僕と山田との
関わりは続く。
P1080229

岩手県山田町水中捜索3回目を終えて。”へ2件のコメント

  1. 山田織笠出身です。 より:

    いつも拝見させて頂いています。
    大変な作業お疲れ様でした。
    読んでいて、涙が止まりません。
    山田のためにありがとうございます。

  2. mota より:

    >fujiさん、織笠出身さんコメントありがとうございます。
    昨日は大雨で大変でしたでしょう。
    今朝も山田にいる仲間から昨日の雨の様子を教えてもらいました。
    気を付けてお過ごし下さい。
    被災者の方がたからいつもこうして心温まるメッセージを頂き感謝いたします。
    今はただ僕たちできる事のほんの少ししかお手伝いできませんがそれでも何かしらお役に立てたならば幸いです。
    また行かせていただきます。

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